超音波検査(エコー)は、腹部、心臓、頸動脈、表在が可能です。
腹部超音波検査では、肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓が観察できます。
メタボリック症候群が話題になっていますが、血液中のコレステロールや中性脂肪の高い人には、脂肪が肝臓に沈着している脂肪肝や胆石をともなっている人が多く散見されます。
このエコー写真は脂肪肝の1例です。左の写真では肝臓内の脈管が見えにくくなっています。右の写真では肝臓と腎臓が接している部分ですが、肝臓は脂肪が沈着しているために肝臓のエコー反射が多くなり、腎臓のコントラストと比較すると肝臓は明らかに白っぽく写っています。この状態は典型的な脂肪肝です。
胆嚢内に胆石が写っている写真です。高脂血症の人は高率に胆石を合併しています。
心臓超音波検査では、心臓の動きや弁の働き、弁の逆流や狭窄などが観察できます。カラードップラーですので、弁の逆流などが一目瞭然に描出できます。
心臓の動きは動画で見ないと解りづらいのですが、(静止画で申し訳ありません)右の写真では収縮期になりつつあります。僧帽弁が閉じているのですが、弁より逆流の青い色のジェット流を観察できます。つまり、僧帽の逆流が認められます。この程度なら、問題はありませんが、超音波で流速を捉えれるので(ドップラー法)このようなことがまさに見てきたかのように表現できます。
頸動脈超音波検査では、動脈硬化の程度が、よくわかります。動脈硬化は目に見えないだけに、今ひとつピンとこない人が多いのですが、ドップラーで見ますと、血流が渦を巻いていたり、血管が狭くなっているために血流の速度が部分的に低下している状況が明瞭にわかります。
この写真はほぼ正常に近い像です。血液の流れる速度は色として表示されています。頸動脈内を均一な速度で血液が流れています。
この人は動脈内に脂肪が沈着して内膜がガタガタになっています。動脈硬化している状況が一目瞭然です。内腔がスムーズでないため、血液の流れも乱流が生じていて、色もまだらになっています。
表在エコーではリンパ節や乳腺の状況を観察可能です。
胃や大腸の検査は予約制です。
胃や大腸の検査には内視鏡(ファイバースコープ)のよる方法と
バリウムを飲んでX線で撮影する透視検査があります。
当院ではどちらの方法でも高精度の検査が可能です。
内視鏡は、直接体内にファイバースコープを挿入するので、胃や大腸の粘膜面をリアルタイムに観察できる利点があります。必要なら、組織を採取して顕微鏡検査に出したり(病理組織検査)、ポリープなどを切除することも可能です(内視鏡下ポリぺクトミー)。しかしながら、少ないとは言え、内視鏡には苦痛が伴うのも事実です。苦痛に関しては、細径化と挿入技術の進歩により、昔のつらい時代のイメージから大きく変わりました。
胃内視鏡では経鼻内視鏡を使ってますので、注射は全く不要となりました。ゼリーによる鼻とのどの麻酔だけでできますので、体に対する負担がほとんどなく、より安全に、より快適に施行できます。検査終了後はすぐにクルマの運転や、仕事など、日常生活にすぐ戻れます。
当院では、胃内視鏡にも大腸内視鏡にも注射薬は一切使用しません。痛みがあるのは無理な挿入法によって、腸管に変な力がかかっているためで、極力無理な状況を避けるように挿入法に工夫すれば、鎮痛剤は不要となります。
麻酔を使ってますから楽に検査ができますという宣伝をよく見かけますが、麻酔に強力な麻薬と向精神薬、鎮痛剤、を使用して、意識と記憶を飛ばしているだけです。体に対する負担は本人が知らないだけです。麻酔をしても体へのストレスは軽減しません。検査後は運転は無理ですし、半日くらいボ~として仕事になりません。痛みという体の信号を無視して検査しますので、事故が起こる確立は僅かですが増加します。(麻酔による事故も報告されています)
胃透視と大腸透視(注腸検査)はバリウムという液体を使用して撮影しますので、内視鏡に比べると楽な検査が可能です。身体に対する負担はとても少ないのが利点です。透視検査は術者の技術レベルによって、病変を描出する力量に差があるのが、欠点といえます。逆に言えば、上手に撮影すれば、内視鏡を超える診断精度をだせます。病変の位置関係や大きさが正確にわかるのも透視検査の利点です。最近の若い先生には、技術習得が容易な内視鏡検査に流れる傾向があり、消化管の透視検査ができない消化器科医が増えてたのは、残念なことです。
身体と勤務に優しい検査スケジュール
一般的に、胃カメラとか大腸の検査では、午前中に検査があるので、検査を受けるのは、仕事のやりくりとか、絶食とかがあり、なかなか、おっくうになるものです。そういう私も、病院勤務時代に、胃カメラを飲むのは、仕事のやりくりが大変でした。もちろん、院内にカオがきくので、比較的好きな時間に、無理矢理割り込むことはできました。それでも、食事を絶食したり、仕事の段取りをして、時間を空けるのは、余程のことがなければ無理でした。
当院では、仕事や食事のリズムを崩さずに胃カメラや大腸の検査を受けることができます。
胃カメラ(経鼻胃内視鏡)や胃透視、大腸内視鏡検査や注腸検査(大腸透視検査)は午後2時~3時に受けることができます。例えば、午後2時に検査を受ける場合、
朝ご飯を食べて、普通に仕事ができます。検査の6時間前からは固形物はダメですが、透明な液体(例えば、水・お茶・ミルクなしの紅茶・スポーツドリンク・コンソメなど)なら摂取可能です。ちょっと、遅めの昼ご飯になりますが、ほとんど、生活のリズムを乱すことなく、胃の検査を受けれます。検査が終われば、すぐに仕事や日常に復帰可能です。私もそうですが、朝食を抜くと、排便リズムが乱れたり、朝の仕事に気力が入らなくなったり、とても煩わしいものです。一方、昼食や夕食がちょっと遅くなるのは、わりと日常的にあり、それ程、仕事や体調に不便や苦痛を感じないものです。だから、午後の検査を勧めているのです。
当院での検査は、注射も全身麻酔も使いませんので、検査が終わったら、クルマの運転でも、仕事でも、すぐに復帰することができます。当院の麻酔はゼリーによる局所の塗り薬による麻酔だけです。それだけで、充分です。ほとんど苦痛はありません。
超音波検査 診察が空いていれば診察時間中も可能な限り対応していますが、最近は込んでいることが多いので、原則的に予約でたまわっております。午後診の午後7時頃なら診察が忙しくなければ、予約なしで対応可能なこともあります。腹部超音波検査は4時間以上の絶食が必要ですので、受ける時は、食事のタイミングにご配慮下さい。
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