花粉症・アレルギー性鼻炎
この季節、みなさん鼻をグシュグシュ、くしゃみの連発、鼻水たらたらしてます。
私も昔は、アレルギー性鼻炎で苦しんでました。
鼻をかみすぎて、鼻は真っ赤になるし、鼻がつまって息苦しい。
特に、横になって寝ると鼻がつまるので、夜はソファに坐って寝てました。
鼻水が出るは出るはで、洪水状態。うっとおしい限り!!
鼻水って過剰に出た後は、出尽くしたあとは、逆に分泌不全になりカラカラします。
そんなときに限って、薬の分泌抑制が、いらん時に効いてきて最悪の事態に。
ちょっとした地獄でした。
もちろん、職業がら、いろんな薬を試しました。
現在の私、今は全然大丈夫です。
花粉症の人を見て、可哀想にと、他人事になってます!!
以下、薬の説明をしっかりします。
面倒くさい人は、最後の漢方にジャンプ!!
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薬・治療方法の種類を大きく分けると
・抗ヒスタミン剤 代表的な製品として、アレグラ・アレジオン、クラリチンが有名です
・抗アレルギー剤、シングレア、オノン、など
・アドレナリン系の製剤、
・ステロイド
・脱感作療法
・レーザー焼却術
・漢方薬
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抗ヒスタミン剤は分泌を抑える薬と言っても良いでしょう。飲むと鼻汁分泌は減少します。
では、鼻汁をバシッと止めれば良いかというと、
喉はカラカラ、ヒリヒリ、気道が乾燥して咳が出てきたり、喉が痛くなったりします。
おまけに、副作用で眠気までしてぼんやり。
確かに、鼻水は改善しますが、別の症状がでて、これが不快きわまりなし!!
それなら、鼻をかんでた方がまし!!って思ったりします。
抗ヒスタミン剤を使うコツは、もの足らない程度で抑えておくこと。
つまり、弱めの薬を選択するのがベストチョイス。
ただ、鼻水がだらだら流れるほどの最悪の日には、心強い味方かも。
現在、第1世代の抗ヒスタミン剤から最新世代まで多種多様の薬を処方できます。
市販薬は旧世代がほとんど。眠気とか、カラカラ感が強くあります。
自分に合う薬を使うのがベストチョイスです。
そのためには自分に合う薬を見つける試行錯誤は必須です。
抗アレルギー剤
比較的に副作用も少なく、使いやすい薬です。
ただ、単独では確実に効いていると自覚しにくいのが弱点。
併用薬としてお勧めです。特に鼻閉症状に良いと思います。
アドレナリン系の薬剤
アドレナリンの作用によって血管は収縮して
鼻閉はとれます。粘膜の浮腫もひきます。
ただ副作用として血圧上昇や動悸など、望ましくない点があります。
内服薬としては不向きで、局所療法として、つまり、点鼻薬に適してます。
有名なのはプリビナ・コールタイジン(ステロイドとの合剤)などがあります。
長期使用すると、薬が効きにくくなったり、局所粘膜の二次収縮がおきたりして、
ある意味、刹那的な薬です。
ステロイド
これは強力な免疫抑制剤で、効果も強いが、副作用も半端じゃない薬です。
副作用として、糖尿病、高血圧、免疫力の低下、骨粗鬆症・肥満などなど
昔は、セレスタミン内服や注射が頻用されてました。
効果抜群、やみつきになるほどです。
しかしながら、現在では推奨できないです。
長期の連用で副作用が出るからです。
したがって、局所療法に向いてます。局所療法なら全身の副作用はまずでません。
鼻炎用の点鼻薬は、アドレナリン系の薬との合剤の形で使用されます。
現在は1日1回だけの噴霧で良いのが多いので、使いやすい薬です。
欠点は、うまく吸い込まないとすべての鼻粘膜に行き渡らないことです。
粘膜のある部分にしか効いてないので、場合によっては中途半端感はあります。
脱感作療法
少量の抗原からはじめて、だんだん増量して抗原に対して
アレルギー反応を持たないようにする治療法です。
ある意味、すごく理にかなった治療法ですが
年単位の治療を続ける必要があり、
しかも、シーズン期間外でも治療継続が必要です。
根気とお金、それに場合によってはアレルギーを誘発するので
鼻炎症状が不必要に出たりして不快感があったりします。
レーザー焼却術
鼻汁分泌する粘膜をレーザーで痛めつけて
粘膜としての働きをなくすという荒技です。
どうなんでしょうね!!??
10年後20年後、ドライマウスならぬドライノーズで苦しみませんか??
鼻粘膜には加湿・洗浄という大切な役目があり
これを破壊してしまうと、将来の機能脱落症状や気道感染が心配です。
漢方薬
小青竜湯・葛根湯加川キュウ辛夷・辛夷清肺湯・柴苓湯・五苓散・麻黄附子細辛湯などなど
漢方は体質との相性が重要です。誰にでも効く一剤はありません。
何が合うかはご相談を。
テレビコマーシャルで八味地黄丸を宣伝してますが
これは、ダメです。特定のひとにしか効かないのに、誰にでも効くかのように宣伝してます。
漢方の良い点は、バランスの良さにあります。
漢方は体を温める成分・冷やす成分、分泌を促進する成分・抑制する成分、など
プラスとマイナスがブレンドされています。
これがどう作用するかというと、薬の副作用が減じ、乱れたバランスを回復させるように作用します。
逆に普通の薬は一方向にしか効きません。
たとえば乾燥させる薬は、一方向にびしっと効きます。
切れ味は良いです。ただ、効き過ぎたら逆にツラいです。
塩で言えば、単純なNaClと岩塩の差です。
NaClはびしっと塩っ辛いですが、岩塩はマイルドに味わい深いです。塩みは強くないです。
たとえば、症状が無いときに漢方を服用しても、特に悪さをしません。逆に鼻炎状態で服用するとしっかり効きます。
漢方は長期服用しないと効かないと先入観を持っている人がいますが
それは江戸時代の話。当時、結核やら胃潰瘍とかに効く薬が無くて
しかたないから、漢方をだらだら続けていただけの話です。
現在は良い薬がたくさんあるので、こうした分野に漢方を使うことはありません。
漢方は体のバランスの乱れが原因の疾患に著効します。
過剰分泌とか、免疫の乱れ、自律神経の乱れなどが得意分野です。
体の制御ソフトに効いている感じです。
漢方薬、即効性です。のんで数分です~っと効いてくるのが実感できます。
しかも効き過ぎません。カラカラ感とか眠気はまったくありません。
欠点は長時間作用性でないこと。
長時間効かないのは、ある意味、利点です。外出時にはでるけど、
家に帰ったら症状は無い場合には、長時間効かない方が望ましいです。
効き味がマイルドな点は利点でもあり、欠点でもあります。
正直に言って、ぼとぼと落ちるような鼻汁分泌にはモノ足らないと思います。
こんな時は軽く抗ヒスタミン剤で抑えて、漢方で整える感じがお勧めです。
もちろん、点鼻薬の併用も良いです。
漢方は食前の服用と書いてありますが、食前、食事中、食後など
いつ飲んでも良いです。症状が出て不快を感じたら服用。
薬の効果が切れてきたら、そのときに追加服用してください。
ひどい日には3-4回服用するかもしれないし、1回だけですむこともあります。
漢方を何年も続けていると、そういえば、最近、ほとんど飲んでないと気づくときがあります。
2-5年、場合によっては10年かもしれませんが。
自然に脱感作されているんですね。
現在の私はこの状態です。